こんにちは、ダブルエムの安井です。
以前、こんな話を聞いたことがあります。
長野では、最新の高級ホテルを差し置いて老朽化した昔ながらのホテルが
高い顧客評価を得ているそうです。
そのホテルは長野駅の駅前にある長野第一ホテルというホテル。
でも、このホテルは以前は廃業寸前に追い込まれていたのです。
宿泊客にアンケートをしても、月に3通しか集まらず、挙句の果てに、
「今どき、こんなホテルがあるのは 迷惑だからもうやめてくれ」
と書かれてしまうような状況でした。
稼働率は20%。
所有者もお手上げ状態です。
そんな危機的なホテルを立て直したのが、中央タクシーの宇都宮恒久社長です。
中央タクシーと言えば、リピート率90%を誇る長野では全国的にも有名な超優良企業。
しかし、なぜタクシー会社の経営者である宇都宮会長がホテルの再建に乗り出したのかと言えば、
取引先の銀行に頼み込まれたから・・・
という人間味にあふれる理由でした。
そして、このホテル再建の象徴的なエピソードが「非常階段のワックス」の話なのです。
長野第一ホテルがまだどん底の状態にあった当時、稼働率が低いために人員もカットされていました。
客室係の方たちは3時のチェックインを目指して、
掃除やベットメイキングのためにいつも忙しく働いています。
そんな忙しい客室係の女性からある日、こんな申し出があったのです。
「非常階段が汚くて恥ずかしいので、 ワックスをかけたいのです。
ですから、ワックスを購入してください」
宇都宮会長が詳しく話を聞いてみると
朝、急いでいるお客さまの中にはエレベーターを使わずに非常階段を使う人がいるようでした。
ところが当時、非常階段には荷物が山積み、天井の角には蜘蛛の巣がはり、階段も汚れていて、
10年は掃除をしていないような状態です。
その状態を、客室係の女性スタッフは「恥ずかしい」と感じていたのでした。
確かに、そんな状況であれば非常階段をキレイにしたほうがいいですよね。
ところが、当時は客室稼働率が20%。
最低限の人員で管理をしてます。
ですから、時間外労働を増やしたり、人員を増やすことはできません。
それでも、宇都宮会長はホテルを良くするために提案してくれたことが嬉しかったので
ワックスを支給したそうです。
それから、2ヶ月後、宇都宮会長はホテルの部長から
「ちょっと見てください」
と声をかけられました。
案内されたのは、ホテルの非常階段。
眼の前に現れた非常階段は、ピカピカに磨き上げられて鏡のようになっていたといいます。
しかし客室係のメンバーは増員していませんし、残業も増えていません。
いつもどおり、慌ただしく働いています。
会長が客室係に話を聞いてみると、彼女たちは昼休みの一部を返上して
自主的に非常階段の掃除を続けていました。
非常階段の○ックス
誰にも強制されることも、指示されることもなく、自主的にです。
もし、あなたの会社で同じようなことが起こったとしたら、きっと涙がでるほど嬉しいですよね。
その後、中央タクシーの経営する長野第一ホテルでは、
更に様々な改善が行われて毎年増収増益が続いています。
設備は、改修をしているものの基本的には以前と同じ昔ながらの老朽化した建物です。
それにもかかわらず、旅行サイトでの評価は4つ星以上。
宿泊客から高く評価されています。
タクシー会社としても90%のリピート率、
ホテルも宿泊客から高い評価を受ける超優良企業。
そんな素晴らしい社風の会社を作るにはどんな取り組みをすれば良いのか?
あなたも実際に、中央タクシーさんを訪ねてみませんか?
アテンドをしてくださるのは、企業風土改革の専門家・大久保寛司さんです。
講座の開催が迫ってきていますので、急いでチェックしてみてください。
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それでは今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。